2016年8月7日日曜日

ミャンマー観光地 シットウェー Sitway



白い帆を張った漁船が行き交うカラダン川が、ベンガル湾に注ぎ込む河口の町シットウェー。バングラデシュと国境を接するヤカイン州の州都で、古都ミャウーへの玄関口。ダニヤワディ、ヴァザリ、そしてミャウーと3つの王朝が、2000年にわたってこの地域を治めた。ことにミャウー王朝はアジアと中東、ヨーロッパを結ぶ交易港のひとつとして栄え、ヒンドゥー教と仏教が融合した独自の文化を残している。


ヤカイン州文化博物館 (Rakhaing State Cultural Museum)



1階はおもに、5~7世紀に栄えたヴァザリ王朝や15世紀頃のミャウー王朝時代のコインやレリーフといった出土品、古代都市を再現したジオラマなどを通して18世紀までのヤカイン州の歴史を概観できるようになっている。2階は楽器や民具、婚礼衣装、織機、伝統的な家屋の模型などの民族的資料を中心に展示。仏教美術のコーナーとして、出土品だけでなくミャウーにある仏教遺跡の模型も展示されている。3階は図書館。

アトゥラマジピロンチャンタパヤジー (Atulamarazi Pyelon Chanta Payagi)

通称パヤジー。僧院風の質素な外観が、建物の柱は金と緑で装飾されている。金色に輝く大仏は金・銀・ブロンズからできたもので、1900年頃に鋳造されたという。

ローカナンダパヤーとサチャムニ像 (Lokanandar Paya& Sa Kyamuni Images)

ローカナンダパヤーは、1995年に建立された比較的新しい仏塔だ。円柱で支えられた内部は開放的な構造。この仏塔の裏側に遮光ガラスで覆われた廊があり、紀元前11年の作と言われつサチャムニ(釈迦尼)像が納められている。この小さな像の表面にはさらに小さな仏像が1162体貼り付けてある。

仏陀美術館 (The Buddha Museum)

小さな仏像や古いコイン、紙幣から化石、鍋釜にいたるまで、さまざまな寄進物が雑然と展示されている。僧侶の骨まである。

ザポイント (The Point)

カラダン川がベンガル湾に注ぎ込む、まさに河口の突端に位置する小さな公園。敷地内には軽食が取れる食堂や展望台があり、沖には灯台が見える。右側には黒っぽい砂のビーチが広がる。

ミャウー (Mrauk‐U)



ヤカイン州の古都ミャウーは、小高い丘に茂る木々の合間に、金色の仏塔がいくつも見え隠れする静かな町。1433年、ミンザウモン王がこの地を都に定め、1785年にビルマ王朝に併合されるまでの約350年間、強大な独立国(アラカン国)として西部ビルマに君臨した。
小高い丘と黒ずんだ古い城壁に囲まれた町全体が、70余りもの仏塔や寺院からなる遺跡にすっぽり収まっている。主な見所は王宮跡の北側に集中しており、遊歩道が整備されているので、半日もあれば見て回れる。街の中心に位置する王宮あとには城壁の遺構が残るだけ。船着場と王宮跡を結ぶ道沿いにあるマーケット周辺が、安食堂や商店が並ぶ賑やかな一帯で、朝夕には屋台も出る。町の南部には、敵に侵入させない目的で造られたという人工湖があり、人々の憩いの場となっている。

王宮跡と考古学博物館 (Palace Excabate Site & Archeologica Museum)

15世紀に建てられたミンブン王の王宮は、黄金や宝石で飾られた木造の豪華な建物だったという。はるか昔に火事で焼失してしまい、雑草に覆われた城壁が残るのみ。考古学博物館にはブロンズの小さなストゥーパヤや仏像のほか、シヴァ神像や石の星座盤、アラビア文字で描かれた碑文、ポルトガル人の墓石など、多くの出土品が展示され、この地で豊かな文化が花開いた事実を伝えている。

シッタウン寺院 (Sittaung Temple)



ベルの形をした大仏塔を小さな33個の仏塔が囲む外観が、インドネシアのボロブドゥール遺跡を彷彿させるこの寺院は、1535年ミンブン王によって建立された。
その名は八万仏寺を意味し、8万体の仏像と、それと同じ数の遺物が奉納されている。船で運んできたという大きな石で造られた境内は5つの回廊からなり、外側から順に、座仏のレリーフ、ヤカイン州独特の風俗を描いた典雅なレリーフ、仏陀の前世を描いたレリーフなどを見ることができる。仏塔の高さは約26m。内部の回廊部分は真っ黒なので、懐中電灯を持参するか、電灯代(1000K)を寄付して明かりをつけてもらう。

ダッカンゼイン寺院 (Htuk Kank Thein Temple)



シッタウン寺院の向かいにある城塞のような建造物が、ミンパラウン王の命により1571年に建立されたダッカンゼイン寺院だ。内部を巡る回廊には146体の仏像がある。

オンドーウーゼイン寺院 (Andaw Thein Temple)



重厚な積みレンガの仏塔と、その周りを等間隔に8つの仏塔が取り囲み、比較的小さな建物がオンドーウー寺院だ。中心の仏塔内部には八角形の回廊が巡らされ、壁面にはさまざま表情の仏像が並ぶ。1521年にミンフララザ王によって建立されたのち、ミンブン王がスリランカから持ち帰ったとされる仏陀の歯を奉納するため、1598年にミンラザジヂー王が再建したという。

ヤダナポンパヤー (Ratanapon Paya)

第二次世界大戦中に爆撃を受けたというが、今はきれいに修復されている。中心の巨大な仏塔の東側に仏像が配置され、周りを16の小さな仏塔が囲んでいる。1612年建立。

ランブワンプラパヤー (Laung Buwann Prauk Paya)



八角形をした美しい仏塔で、ミンハングラザ王によって1525年に建立された。仏塔の外壁にある16のレリーフが、優雅な装飾となっている。幾分剥がれているが、境内を支える土台には色鮮やかなタイルの花模様が施されている。

ピタカタイ (Pitakata Taik)

遊歩道の北端、折り返し点にある、華麗な装飾が刻まれた石造りの建物。小さな祠のようだが、スリランカからもたらされたという仏典を保存する書庫として使われていた。かつてはこのような建造物がいくつもあったが、今ではこれが現存する唯一の書庫だという。1591年、ミンパラウン王によって建立された。

【出典 地球の歩き方 ミャンマー(ビルマ)】

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